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縁が繋がって仲間が集い、共に育っていくお寺「妙行寺」

みなさんにとって、お寺はどんなイメージがありますか?
お葬儀や法事をするところ、お墓の管理をするところというイメージのかたが多いかもしれませんね。

「寺子屋」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、昔お寺は、学校の役割もになっていました。地域の人と社会をつなぐ場所であり、困った人に手を差し伸べる場所。その役割を、今でも担っているお寺があります。

鹿児島市和田にある「深機山 妙行寺」。

「For Self And Othersー縁が繋がって仲間が集い、共に育っていくお寺ー」という目標を掲げて、人と人が繋がること、ともに歩んでいく仲間と出会うこと、お互いが育ちあっていくことのために諸事業に取り組まれているお寺です。

医療や福祉の視点からも、地域のかたに必要な取り組みを数多くされているので、妙行寺の井上ご住職にお話をお伺いさせていただきました。

「繋がる」「集う」「育つ」の3つの事業内容を柱に

妙行寺は、親鸞聖人によってひらかれた浄土真宗本願寺派(西本願寺)の寺院です。慶長12(1607)年に佐賀で設立され、明治21(1888)年に現在の地である、鹿児島市和田に移転をしたそうです。

妙行寺は、「繋がる」「集う」「育つ」の3つの事業内容を柱に、さまざまな取り組みをされています。

たとえば、毎月第4土曜日に開催されている「寺の保健室」は、看護師、栄養士、薬剤師などの専門職のかたに相談できる場です。普段、飲んでいる薬のことを、きちんと知っているかたは、意外と少ないかと思います。薬局ではなかなか聞くことのできない薬の疑問を、寺の保健室で薬剤師に心ゆくまで相談することができる。他にも、体に関する不安なことを看護師や栄養士に相談をする。そういうことができるので、寺の保健室を楽しみにされているかたが多いそうですよ。

医療や福祉の制度は、たくさんあるけれど、活用の仕方がわからなかったり、そもそも制度自体を知らないかたが多いかと思います。専門職のかたと繋がることで、困ったときに相談ができます。

今は、ネットで調べれば、いろいろな情報を手に入れることができます。しかし、情報が溢れすぎていて、なにが正しいのか見極めることは難しいです。正しい情報や必要なサービスを受けるためには、やはり専門職のかたとの繋がりが一番だと感じています。

同日に、同じ会場で「チームオレンジたにやまサロン」も開催されています。

チームオレンジとは、高齢者や認知症の人など、地域の皆さんが集まって個性や特技を活かしながら交流活動等を行うボランティア団体です。

https://www.city.kagoshima.lg.jp/kenkofukushi/chouju/nin/ninnin.html

縁起でもない話こそ、きちんと身近な人とする

他にも、たくさんの取り組みをされています。すべてをご紹介するのは難しいので、勝手に厳選をしてご紹介します。

みなさんに知って欲しい取り組みのひとつである、「縁起でもない話をしよう会」。2018年から開催されており、3ヶ月に一回、第4土曜日に開催しています。

たとえば、どのように最期をむかえたいのかを身近な人と話す。死や病気、老いに関する話は、縁起でもないと避けられがちですよね。

先日セミナーに参加した際の井上ご住職の講話で、「すべての人の死因は、生まれたことです。亡くなった原因は、死縁です」と話されていました。

すべての生き物は、生まれて、必ず死んでいくのです。縁起でもない話だと避けずに、最期を迎えるときまで、その人らしい人生を歩めるように、身近な人たちと話すことは大事なことだと感じました。

こちらは、5月に開催された「縁起でもない話をしよう会」の内容です。このように、「縁起でもない話をしよう会」は、医師を含めた専門職のかたが、いま知ってたほうが良いことについてお話をしてくださいます。

次回の開催は、2024年8月31日(土)19時~20時30分で、記念すべき30回目をむかえます。「『人を支える人』をケアする~支援者支援を考えましょう~」というテーマで、臨床心理士の津田政志さんがお話をしてくださいます。

参加費は無料ですので、気になるかたは、ぜひ妙行寺にいらしてください。

お寺猫ちょびから教わったこと

まだまだ伝え足りないことはたくさんあるのですが、最後に、お寺猫のちょびについて書かせてください。

ちょびは、野良猫だったこともあり、当初は触ろうとすると引っ掻いてしまうことが多かったそうです。引っ掻かれた人が続出したこともあり、お寺は消毒液を常備していたという逸話があります。ちょびに引っ掻かれても、当時怒る人は誰ひとりいなかったそうですよ。

先日、お寺を訪れた際に撮った一枚です。

とても穏やかで、撫でても引っ掻かれませんでした。お寺に訪れるたくさんのかたの愛と優しさに触れ、人懐っこいお寺猫に変わったのだそう。

生きていると、いろいろなことが起こります。ときには、心に深い傷を負うこともあるかと思います。でも、周りの人の優しさによって、少しずつ傷は癒えていくのかもしれませんね。そんなことを、ちょびから教わりました。

ご住職は、ちょびのことをとても大切にされており、妙行寺のホームページの「職員紹介」にも、ちゃんとちょびが載っています。

困ったときに「あの人を頼ればいい」と思えることが、どれだけ心強いことか。そういう繋がりの場をつくってくださっている妙行寺です。

ホームページには、今回ご紹介できなかった取り組みが載っていますので、気になるかたは是非ホームページをご覧ください。

投稿者プロフィール

上村 ゆい
上村 ゆいヨガインストラクター×フリーライター
ヨガインストラクター×ライター。どちらかというと身体が硬めのヨガインストラクターです。その人に合ったレッスン内容を心がけているので、老若男女問わずレッスンを受けていただいています。ヨガレッスンは、出張ヨガがメイン。趣味は、美味しいものを食べること。ライターとして鹿児島のいろいろなことをを発信していけたらと思います。