日本には、古くから伝わる「二十四節気」という知恵があります。

以前は、季節の変化を大切にし、旬の食材を使ったお食事をいただいていました。今はスーパーに行けば、いつでも食材が手に入る時代です。便利な世の中になりましたが、季節を感じにくくなっているような気がします。

和暦(月の暦・二十四節気)をテーマにした「食」をお伝えしている、石塚智代さん。月の暦と二十四節気・「源」とつながる「暮らし」を主宰されていて、お料理教室や講座を開催されています。

節気ごとの食材や料理を学ぶことは、忙しい日々を過ごしているわたし達に必要なことかもしれません。その魅力に迫っていきます!

二十四節気と日本の食文化の関係

はじめに、「二十四節気」について、簡単にご説明しますね。ウェザーニュースのページに、このように記載していました。

二十四節気(にじゅうしせっき)は、一年の太陽の黄道上の動きを視黄経の15度ごとに24等分して決められているものです。日本の旧暦(太陰太陽暦)では、季節を表すために用いられていました。

全体を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。二十四節気はその瞬間を指すこともあれば、そこから始まる期間を指すこともあります。

https://weathernews.jp/s/topics/202303/030185

二十四節気の一番はじめの節気は、2月4日ころの「立春」は、暦の上では春のはじまりとされています。4月20日ころの「穀雨」や6月5日ころの「芒種」など、農業に関する節気があり、種まきや稲刈りの目安にしていたそうです。

実は、二十四節気は、日本の食文化とも深い関わりがあります。たとえば、12月22日ころの「冬至」に、かぼちゃをいただくなど、みなさんも馴染みがあるかと思います。

こちらは石塚さんが作った、椀物です。4月5日ころの「清明」は、春うらら、桜がきれいな頃。清明の頃の「春の山」をお椀に写せたらとおもいつくった椀物だそうです。

月の暦と二十四節気・「源」とつながる「暮らし」

23年ほど「食」に携わる仕事をされていた、石塚智代さん。旬の食材を使った季節のお料理のメニュー開発や販促、工場での商品開発などに携わっていました。食材にこだわり、素材を活かす料理人と一緒に仕事をすることもあり、次第に「和食」の魅力に惹かれていったそうです。

昔から古いものが好きだったこともあり、和暦(月の暦と二十四節気)がベースの日本の食文化へと辿り着きました。

現在、「月の暦と二十四節気・『源』とつながる『暮らし』」を主宰されています。和暦を学べる講座と、その季節に合わせたお料理をいただく会などが開催されています。

こちらは、5月26日に開催された「季節を味わう 椀物と混ぜご飯の会<二十四節気『小満』>。体調を崩しやすい「梅雨」時期にいただくとよいお料理だそうです。ちらし寿司は、鹿児島の伝統的調味料の黒酢を使ったとのことです。お料理のことだけでなく、二十四節気の「食」についての講座もされています。

次回は、7月21日(日)10時30分から、「かごしま国際交流センター」にて開催されます。

その他、自分の心と體(からだ)の声を聴く「季節土用の会」を年4回開催予定だそうですよ! 季節に合わせた養生の仕方を学ぶことができます。

イベント情報は、Instagramをご覧になってください。月の暦と二十四節気のめぐりについて情報の発信をされているので、要チェックです!

◾️インスタグラム
https://www.instagram.com/wareki_shoku.etc?igsh=MTd0bG5iYTlsa3l1

◾️フェイスブック
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亭主とお客さまで空間をつくる「茶懐石」

石塚さんは、長年「茶懐石」を学んでいるそうです。

お茶を愉しむために、少人数の親しい人をお呼びする「茶事」。そこでふるまわれる軽食を「茶懐石」と言います。あくまでも、メインはお茶を愉しんでいただくことなので、茶の湯が沸くまでの間に、軽い食事として一汁三菜の懐石とお酒がふるまわれます。

石塚さんは、「茶懐石」精神である、「自然の恵みに感謝し、お客さまのことをおもいお料理を用意し、亭主とお客様の心が一体なり生み出される空間に感銘をうけました」と仰られていました。

和暦の「月の暦」をお伝えする
「月の暦でめぐる しみ滋味(じみ)ご飯の会」は
、「茶懐石」の心に強い影響をうけたものです。

飯碗(左)、汁椀(右)、向付(奥)が、一汁一菜です。ご飯は、電気炊飯器ではなく、鉄鍋で炊いたもの。向付は、胡麻豆腐でした。

1回目のご飯は、芯があるご飯。茶懐石では、そのときのお米の美味しさを味わいきるために、蒸らしの違いで3回ご飯と残ったおこげで
ご飯を味わいます。


2回目は、芯がないご飯。向付は、とろろです。芯がない、ふっくらしたご飯なので、とろろをかけて食べて欲しいという、石塚さんのおもてなしの心です。控えめに言って、とろろご飯最高でした。何杯でも食べれる勢いでした。

1回目と2回目の汁椀の具材をご覧ください。具材は同じなのに、なにかが違うと思いませんか? そうです。2回目は、具材のじゃがいもが半分に切られていたのです。

茶懐は、空間のしつらえと、お客さまへの配慮の気持ちが大切だそうです。わたしが1回目に、じゃがいもを食べづらそうにしていたので、2回目は半分に切ってくださいました。お客さまをしっかりと観察し、心地よく過ごしていただけるような場をつくっていくのですね。

他にも、「素材をすべていただいて欲しい」という思いから、味噌汁は、味噌をすり鉢ですり、茶漉しで5回越しているとのことでした。お客さまを思う心を大切にしているからこその一手間なんですね。季節によって、味噌を変えていくそうなので、味の変化が楽しみです。

「茶事は、亭主とお客さまで空間をつくるもの」

お客さまによっても、そのときによっても状況は変わるもの。その時々に応じて、空間をつくっていくので、まさに「一期一会」だなと感じました。

春の兆しを感じるなど、「兆し」を大切にする。それは、自然豊かな日本だからこそ味わえるものかもしれません。

石塚さんは、「自然の中での微細な変化を感じる、道しるべとして『和暦』をしりながら
自然の恵みから生まれる『食』をいただくことで、なにかしら、人生によき変化がある」という思いから、伝える活動をされています。

和暦のこと、日本の食のこと、ぜひ知ってください。

【イベントのご案内】

◾️【季節を味わう 椀物と混ぜご飯の会<二十四節気 「大暑」>】
開催日時:7月21日(日)10時30分〜
開催場所:かごしま国際交流センター
参加費:3500円

◾️【心と體(からだ)を調える季節土用の会~夏~】
開催日時:7月24日(水)10時30~13時
開催場所:喜入善行寺 研修室(鹿児島市喜入町259)
参加費:5500円(税込)

気になる方は、InstagramのDMにご連絡ください。
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投稿者プロフィール

上村 ゆい
上村 ゆいヨガインストラクター×フリーライター
ヨガインストラクター×ライター。どちらかというと身体が硬めのヨガインストラクターです。その人に合ったレッスン内容を心がけているので、老若男女問わずレッスンを受けていただいています。ヨガレッスンは、出張ヨガがメイン。パーソナルヨガレッスンも開催。趣味は、美味しいものを食べること。ライターとして鹿児島のいろいろを発信していけたらと思います。