メタバースの歩き方(前編)

 メタバースとは、WIKIから引用すると『コンピュータの中に構築された3次元の仮想空間やそのサービスを指す』とあります。
 近年、鹿児島でも地域おこしの為にメタバースを作成し、関係人口の増加に勤めるところも出てきていますね。
 しかし、実際上手く運用できているところはごくわずかではないでしょうか?

 今回は主にClusterを利用している2人のヘビーユーザーに、メタバースの利用法や楽しみ方についてお話を伺いました。

cluster (ソーシャルVR)
clusterは、クラスター株式会社が開発・運営するソーシャルVRサービスである。 アプリケーションはデスクトップ版、VR版、スマートフォン版の3種類のプラットフォーム向けに提供されており、Windows、macOS、Android、iOSなど、さまざまな環境で使用することが出来る。
WIKIより引用

ヒーロー系VTuber『紅蓮グレイ』さんの場合

ーー自己紹介をお願いします。

 ヒーロー系VTuber紅蓮グレイという肩書きと名前で活動しておりまして、普段は動画サイトとかでアニメを描いて、自主制作のアニメを描いて活動してます。
 Clusterではイベントコミュニティ・クラスターズなどに所属して、スタッフをやったりとかしています、裏方の…って感じですかね。

ーーありがとうございます。Clusterを利用し始めてから今年で何年目ですか。

 ざっと2年半か3年目にはなるかと思います。

ーーそのほかのメタバースの利用はありますか?

 …VR SNSかな?
 VRChatをやってます。
 そっちでも運営側に回っていろいろやっています。

ーーアニメ制作をする上でメタバースを利用しての利点って何かありました?

 それは、やっぱりメタバースってこうやって言えば、記者さんともお喋りしてるじゃないですか。
 実際Youtubeや動画サイトとかに投稿しても、視聴者の肉声の声って聞けないんですよね。例えば、それがアニメじゃなくても動画作品とか、普通の動画作っても、しいて言うなら高評価のボタンとか、コメントでの表現がいっぱいいっぱいなんですよ、コミュニケーションを取るのって。
 だけど、このメタバースのClusterとかで、例えば『動画上映会しよう』ってなったとき、動画上映会したらちゃんとこう、みんなの肉声で「ここがすごいね」とか、「かっこいい!」みたいな感じの声が、視聴者の皆さんから貰えるんですよね。

ーーなるほどですね。

 メタバースのこういうClusterとかを使ったSNSでの活動って、よりコミュニケーションがしやすかったりとか受け取りやすい、届きやすい場なのかなって僕は個人的に思ってます。

ーーなるほど。
 一般の方たち…そうだな、どちらかというと今私のメタバースを使ってる方のイメージっていうのが、一般の方がメタバースに遊びに行ってという流れがまだまだ個人的には少ないかなと思ってまして。
 やっぱりその3D関係とかそっち方面に長けた方たちの集まりになってるのかな?とは思ったりとかするんですけれども…。

 そういった点ではお客さんの集め方とかその視聴者の集め方って、特にこれを意識してるというのは何かありますか?

 そうですね。
 僕の場合は元から動画サイトとかでお友達っていうか見てくれてる人もいますけど、クラスターの中でお友達作ったりとか、さっきも僕ちょっと自己紹介のときにお話しましたけど、僕自体がイベントスタッフで回ってて、お仕事とかしてるうちにやっぱりその後、お仕事終わった後とかで自分たちのお話とか、自己紹介とかってするんですよ。打ち上げみたいなもんですよね。
 それで、知人がそこで増えるから、知人が増える事で動画見てくれる人になったり…メタバースのきっかけ作りでも、自分から動く事で自分の動画をいっぱい見てもらってますかね。

ーーなるほどですね。今リアルの活動とかはどんな感じですか。

 リアルは僕、なんていったらいいかな。
 フリーランスでイラストレーターって言ったらいいのかな。
 ちょっとそういう感じで入ってきた仕事をこなして収入を得てる感じです。

ーーその…リアルだったら、地方とか住んでれば、なかなかその仕事に理解がなくて仕事が取りづらかったりとか、自分の行動範囲を広げられなかったりとかするんですけれども、メタバースだと何かそこら辺がやりやすいとか感想を持っていらっしゃいますか?

 ああ、それはありますね。
 このお話をどうのこうのを企画をやりたいんだけどとか何かあるいは、この話を作りたいってなったときに、メタバースで集まったみんなはすぐに理解してくれるんですよ。お互いちゃんと何かしら関わり合いのある、さっきも言いましたけどイベントとかで一緒にね、スタッフとかやったりとかもやってるから、人となりもわかってて活動も理解してるわけだから。
 「あ、多分こういうことしてるんだよね?」ってすぐに理解できて。
 で、物理的な移動がないじゃないですか。ちゃんとこうやって今、記者さんと喋ってるのも目の前でこうやってメタバース内に場所を作って、こうやってお喋りしてるわけで、人同士の集合も、すごく簡単ですし。

ーーなるほどですね。

 そんな感じでちょっとやれるから。
 簡潔に言うなら、コミュニケーションが取りやすいから。

ーーなるほどですね。
 ご自身の今までの作品とかがあるわけじゃないですか。
 作品がClusterをやったことによって「グレードがアップしたよね」とか。
 「新しい表現方法ができるなったよね」みたいな実例とかあったりとかします?

 そうですね。新しい表現方法…作品としてとかですかね。

ーー作品としてですね。

 やっぱり、なんでしょうね。グレードアップを自分からしたというよりは、このメタバース来てから僕が学ばせてもらう事はすごく多くて。作品以外にも。
 やっぱりイベントとか、現実で活躍してる人から見たら所詮メタバースなんて人は多いと思うんですよ。
 なんですけど、それなりにちゃんと仕事のメールとかもやってたりするわけで…。
 ちゃんとまあ、こうやって今ね、記者さんとも喋って人とのコミュニケーションを取るわけだから。コミュニケーション取り方もわかりますし、連絡の文章とかも、なんか把握できますし。
 最初はコミュニケーションが下手くそで、基本的な事が上手くできてなかったんですけど、慣れてくると学ぶとこも多いですし。
 作品自体も、やっぱり僕みたいな活動してる人って少なくなくて、動画編集とか動画活用してる人から「それよりもこっち使った方がいいよ」とか、「ここ、こうしたらいいかもね」みたいな感じでアドバイスくれたりとか。

ーー同好の人たちが周りに集まって交流ができた事によって、いろんな情報を得られることが一番今大きいのかなっていう感じですかね。

 逆に僕がこう人に教えて「あ、そうなんだ。じゃみんな使おう」って言ってみんなに広まったりとか、お互い刺激受けてるから。
 本当に何か、言うなら『人のおかげで作品がアップデートできてる』って感じなんですかね。今も、現在も。

ーー一般の人たち向けに「これからメタバースを始めよう」「今まで触れてないんだけれどもこれから始めてみようかな?」って方たちに何かアドバイスをいただけますか?

 皆さんが思っているほど難しい場所じゃないんで、人と話すのが楽しい人はぜひ来てください。
 皆さんにとっていろんな出会いがあったりとか、いい思い出を作れる場所だと思います。待ってまーす。

ヒーロー系VTuber『紅蓮グレイ』
 YouTube:https://www.youtube.com/@GureiVtuber
 X(旧Twitter):https://x.com/vtuber_gurei

取材後記

 グレイさんはマンガやアニメの制作として活動しているのですが、メタバースを活用する事で『仮想空間で行われる視聴者や同じ制作者とのライブ感』がご自身の作品や技術向上に影響しているというお話しでした。
 地方に住んでいると分野によってはなかなか周りから理解を得られず埋もれてしまう方が多いのですが、メタバースに足を運ぶ事で、世界にいる同好の方との距離が近くなり、ご自身の活動に良い影響をもたらしてくれる様です。
 地方での活動に苦しんでいらっしゃる方は、メタバースに足を運んでみるのも打開策になるかもしれませんね。

投稿者プロフィール

清永秀樹
清永秀樹
クリエイティブパフォーマンスBAN/代表
さつま忍者研究会/代表
H26~H29 KADOKAWA Walker plus 鹿児島県地域編集長(最終役職)