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それぞれ目指すべきものの先にある農業のカタチ

12月3日(火)放送されたMBCラジオ「かごしま街角通信」で、「今後は、農業をしている方の取材をしていきたいです」と宣言しました。ヨガインストラクターとライターをしている、上村(かみむら)です。

「宣言をしたからには、実現をしていきたい」という思いから、今回は、南九州市頴娃町で、有機栽培をしている「山脇農園」と山脇さんの娘夫婦の「りんふぁ〜む」に、お話をお伺いしました。似ているようで、違った部分がある二つの農家の農業方法。タッグを組むときもありますが、自分たちの農業のカタチをきちんと持ちつつ農作物を育てています。

山脇農園の有機栽培の始まり

南九州市頴娃町で農業をしている「山脇農園」は、1995年に有機栽培をはじめました。数年前から、有機栽培をはじめようかと迷っていましたが、なかなか踏み出せず……。ヨーロッパに行く機会があり、ドイツやフランスでは普通に有機農業をしている方々がいることに背中を押され、有機農業をすることに決めました。

何故、有機農業にしようと思ったのか?

当時、山脇さんの子どもたちは乳児でした。「農薬散布をした洋服や手で、子どもたちを触ることが怖いと感じていました」と話す山脇さん。夫婦で話し合い、自分たちの子どもたちだけでなく、まわりの子どもたちが口にする野菜も、農薬や化学肥料を使わないで育てていく方法を選びました。

有機農業をはじめたばかりの頃は、技術が追いつかなかったこともあり、上手く育てられなかったこともありました。一部が上手く育ったと思ったら、別の部分で弊害が起こることも。試行錯誤を繰り返しながら、15〜20年かけて、やっと安定して作物をつくれるようになりました。

「何度も挫けそうな場面があったけれど、『はじめたからには、やり続けたい』という思いと、子ども達が農作業を手伝ってくれる心強さがあったから、続けてこれた」と山脇さんは話します。

「山脇農園」の農作物には、認証された事業者のみが得られる「有機JASマーク」が貼ってあります。

娘夫婦とのタッグを組んでの現在

山脇さんの長女の綾子さんは、頴娃町で、オードブルやお弁当、お菓子やギフト関係を販売する「野菜菓工房 楓fu-」を営んでいます。そして、綾子さんの夫である久保山晋治さんは、「りんふぁ〜む」として、四季折々の変わった野菜を農薬を使わずに作っています。

「りんふぁ〜む」として、本格的に農業をはじめたのは2018年。妻の綾子さんと共に、「僕らだからできることにチャレンジしていきたい」と、さまざまなチャレンジをしています。その一つとして、ひとつの畑に、いろんな野菜を植えて、収穫したものを「野菜菓工房 楓fu-」のお店で加工して食べてもらうという流れをつくっています。

久保山さんは、農薬や化学肥料を使うと、お腹が緩くなってしまうそうです。ご自身の身体の不調を考え、手間暇はかかるけれど、農薬や化学肥料を使わない野菜づくりをすることに決めました。土の微生物を元気にして、微生物に活躍してもらって美味しい野菜をつくることを模索しています。

「山脇農園」の有機無農薬の農業と、似ているようで異なる部分もある「りんふぁ〜む」の農業方法。自分たちの農業を確立するためにも、先輩たち(山脇夫妻)から学ぶことに決めました。久保山さん夫妻は、3年ほど前から、「山脇農園」の一部管理を任されるようになりました。現在は、60代の夫婦と40代の夫婦でタッグを組みながら農作業をすすめています。

とある一日の作業風景

午前中は、開聞岳が見える畑で、にんじんの収穫作業からスタートです。

人数が確保できるときは、にんじんを掘る人、にんじんの葉としっぽをハサミで切る人に分かれます。

畑で収穫したにんじんを洗って、箱詰めをする出荷作業です。

午後からは、3月後半から収穫できる新玉ねぎの植え付けです。こちらが、新玉ねぎの苗。山脇農園では、苗を自分たちで作っています。

1本1本、手作業で植えていきます。元気な新玉ねぎに育ってね。

先人たちの知恵など受け継ぎたい部分と、時代に合った方法に変える部分。「山脇農園」と「りんふぁ〜む」の農業を間近で見ていると、農業のカタチはそれぞれ違っていいんだなと思えました。

生産者の顔が見え、消費者が安心できる野菜づくりをしているので、それぞれSNSで情報発信をしています。農業体験もできちゃいます! 気になる人は、覗いてみてください。

◆山脇農園
https://www.instagram.com/oimo.ninjin.tamanegi

◆りんふぁ〜む
https://www.instagram.com/oyasai.rinfarm

◆野菜菓工房 楓fu-
https://www.instagram.com/oyatsunomise

投稿者プロフィール

上村 ゆい
上村 ゆいヨガインストラクター×フリーライター
ヨガインストラクター×ライター。どちらかというと身体が硬めのヨガインストラクターです。その人に合ったレッスン内容を心がけているので、老若男女問わずレッスンを受けていただいています。ヨガレッスンは、出張ヨガがメイン。趣味は、美味しいものを食べること。ライターとして鹿児島のいろいろなことをを発信していけたらと思います。