一般的に、スナップエンドウは、3月〜6月に旬の時期を迎えます。しかし、北は北海道、南は鹿児島と幅広い地域で栽培することができるので、旬の時期が産地によって変わってきます。一番早く旬の時期を迎えるのは、鹿児島です。早いところでは、11月頃から収穫がはじまります。
スナップエンドウの生産量の日本一は、鹿児島県指宿市です。指宿市のホームページに、以下のように記載しています。
指宿市はスナップえんどうの生産量日本一
?温暖な指宿はマメの宝庫。「そらまめ」「スナップエンドウ」「実えんどう」など、全国に先駆けて12月頃から収穫が始まります。
「日本一の生産量を誇る、指宿市のスナップエンドウの畑を見てみたい」という思いから、友人である鶴窪さんに、畑の見学をさせてもらいました。
スナップエンドウの植え付け
9月初旬から下旬にかけて、種播きからのスタートです。栽培方法は、さまざまですが、鶴窪さんの畑の場合は、1穴に種を2粒ずつ直播をします。なぜ1粒ではなくて、2粒ずつ播くのかというと、豆同士に競争をさせるという目的のためです。
種を播き、実がなるまで気を抜くことはできません。実がならないと、収入が得られないからです。植え付け後50~60日ほどで、実がなります。「特に最初の1ヶ月が肝心なので、枯らしたり、病気にかからないように気をつけています」と、鶴窪さんは話します。
スナップエンドウには、「つるあり品種」と「つるなし品種」があります。鶴窪さんは、「つるあり品種」で育てているので、約2mほどの高さに成長します。ツルが絡まるように、支柱を立てて、ネットを張ります。ネットには、成長を促す役目があります。
スナップエンドウの収穫
花が咲いたあとに実が育ちます。こちらの写真は、スナップエンドウの花と花が落ちたあとの実です。この小さな実が成長した後、出荷できるようになります。
出荷するためには、規格が決まっています。例えば、スナップエンドウは、「さやの厚み」「さやの長さ」「傷がついていないか」などの規格があります。日々、農作物の観察をし、収穫時期をきちんと見極めています。
減農薬と土壌を肥やす工夫
最近は、農薬や化学肥料を減らして栽培する“減農薬栽培”をしている農家が増えてきていると聞きます。「なるべく農薬や殺虫剤を使いたくないので、株を丈夫に育てるようにしています」と鶴窪さん。“酢”を使って、土壌の状態をよくするなどの工夫をし、病気に負けない元気な株を育てようと、日々奮闘しています。
しかし、その年の気候によって状況が変わるので、気をつけていても、どうにもならないときがあります。昨年の9月〜11月は暑かったので、虫の発生が多かったそう。害虫である「クキモグリバエ」により、枯れてしまった箇所があります。葉が枯れてしまうと、質の良いスナップエンドウはできません。
大切に育ててきた作物が、このような姿になるのは、とても心痛むことだと思います。しかし、落ち込んでばかりはいられません。今年の反省点を来年に生かすために、まわりの農業をしている人たちと情報交換をしたり、家族で毎日話し合ったりしているそうです。
時には、育ったスナップエンドウをヒヨドリに食べられてしまうことも。自然の中で、作物を育てるということは、人間の力ではどうすることもできないことも起こってしまいます。畑に作物を植えれば、無事に収穫ができるということではありません。作物を育てている方々の試行錯誤のおかげで、わたし達は安心して野菜などを買うことができています。
スナップエンドウには、「β-カロテン」「ビタミンC」「食物繊維」などの栄養素が豊富に含まれています。さやごと食べられるのも魅力のひとつ。ぜひ、旬のスナップエンドウを食してくださいね。
投稿者プロフィール
- ヨガインストラクター×ライター。どちらかというと身体が硬めのヨガインストラクターです。その人に合ったレッスン内容を心がけているので、老若男女問わずレッスンを受けていただいています。ヨガレッスンは、出張ヨガがメイン。趣味は、美味しいものを食べること。ライターとして鹿児島のいろいろなことをを発信していけたらと思います。
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