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レスポンスツーリズムとサステナブルツーリズム(後編)

責任と継続

ヨロン島に行った際のビーチクリーン

私は現在、島にいるときは毎日近くの浜のビーチクリーンを行っている。もう2年目に突入している。私の母に至っては今年7年目だ!毎日続けることで、毎日拾うゴミの量も少なくて済む。そして続けてSNSで発信していると島外から島に訪れてきた人々が「今日も朝やってますか?」と連絡をくれて一緒に拾ってくれるようになっている。本当にありがたいことであると同時にこの環境の大切さがわかる。当たり前の話ではあるが自然環境>社会>経済>地域>家族>個人という構図は拭えない。自然環境を無視した経済活動は持続可能ではない。SDGsが流行り言葉のように飛び交っているが企業で取り組むこと、自治体で取り組むことはあると思う。がしかし、個人単位でもできることがあるのは先構図からしても明らかだ。

コロナ禍に突入して島の入り総込み客も9万人から5万人まで落ち込んだ。しかし、コロナ前を思い出してみるとGWやお盆、お正月などのいわゆるピークシーズンでは一部のサービスではオーバーツーリズムが見え隠れしていた。フィールドに関しても然りだ。大河ドラマのロケ地になったビーチではデイキャンプやオーバーナイトキャンプが度々行われ焚き火台を使わずに焚き火をするため燃えカスやゴミが増えたり、ビーチにレンタカーで侵入して戻れなくなり助けを求めるやりとりが頻発した。もちろん故意ではないにせよ、「日常ではない」旅行先に「日常がそこにある人々がいること」を忘れがちだ。沖永良部島は「農業の島」であり観光業以外に携わっている人が圧倒的に多い。しかし、「この人たち」が実はキーパーソンになる。異文化の違った地域の日常にちょこっとお邪魔できるような旅がこれから先、必要になってくるしトレンドになってくる。造られたパッケージを購入して旅を消化するのではなく、お邪魔する地域の生活を少しお裾分けしてもらうことで非日常を体験できる旅行だ。移動手段はレンタカー?自転車?原付?散歩?様々あるであろうが島の人との接点が持てるツアーが求められ主流になってくる。そこには島民も旅行者も無理なく楽しく交流できるシステムが必要だ。そこで活躍するのが、ガイドやコーディネーターである。双方の楽しみを調整し実行していき皆が楽しい滞在を演出していくことで満足度が急上昇していく。そんな旅を作っていけたら最高ですね。

投稿者プロフィール

oldie-village(古村英次郎)
oldie-village(古村英次郎)株式会社 oldie-village 代表取締役
●経歴/実績
・鹿児島県沖永良部島に生まれる
・鹿児島県立沖永良部高校卒業
・中京大学体育学部卒業
・オーストラリア、ケアンズでダイビングのインストラクターとしてGBR(グレートバリアリーフ)の水中ガイドを経て名古屋の海外旅行専門の旅行会社で旅行業に携わる
・長女の出産を機に故郷沖永良部島(おきのえらぶじま)へUターン
・島の交通や運送を司る企業での実務を経る
・島の観光協会の初代事務局長に就任
・島の二つの町(沖永良部島は2町1島・和泊町/知名町からなります)の観光協会の一元化、法人化
・地域のプラットホーム(DMO)の基礎を作る
・地方の脆弱な観光予算の中、会員の皆さまと共に情報の一元化をすべくWEBサイトの立ち上げ、運営
・自主財源を獲得すべく島の特産品の販売を事務局内の店舗で開始、ECサイトも開設し運営を開始
・観光協会の旅行業登録を推進、着地型の体験観光組成に着手
 ※気軽にできる観光体験から島のメイン産業である農業体験の開発、企業研修のコンテンツのコーディネートからガイドまで一貫して行える仕組みを組成
・地方創生やコロナ対策の交付金を行政と連携し活用、事業を構築・実施
・DMO組織構築事業やブルーツーリズム・グリーンツーリズムの構築・運営、拠点整備事業の起案やその後の指定管理業務の実施【令和元年度版地方創生関係交付金の活用事例】に掲載
・国土交通省観光庁広域周遊観光促進のための専門家登録(2021.10)
・鹿児島県知事登録旅行サービス手配業者第20号登録(2022.03)
・株式会社 oldie-villge 設立( 2022.07.01 )