最後に「えらぶカレンダー」の話をしたい
カゴシマガジンで続けてきた、こちらのコラムもいったんお休み。
これまでいろんな方にインタビューをしてきましたが、ライター名でもある「えらぶカレンダー」については冒頭で少し軽めに紹介するくらいで、記事一本使ってシッカリと語ったことがありませんでした。ということで、最後くらいは、その紹介や立ち上げた思いなどについて書いて締めたいと思います。
えらぶカレンダーは、LINE公式アカウントです。公式と書くと、LINEがつくった感があってややこしいのですが、そうではなく、お店などがつくるLINEアカウントですね。多くの人にとって1対1、はたまたグループでのトークをイメージするLINEですが、LINE公式アカウントは1対多。つまり、お店がお客さんに対して情報(割引や、支店オープン情報など)を配信するのに向いてます。
では、えらぶカレンダーは何を配信しているの?というと、沖永良部島内でのイベント・キャンペーン情報が中心です。お店などではありません。これをはじめた背景には、えらぶらしさというか、離島らしさというか、もっといえば田舎らしさがあると思ってます。それは「イベントの多さ」です。
↑こんな内容を配信しています
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伝統行事は、字(あざ、集落のこと)ごとにあるし、個人経営の商店や飲食店も多いし、イベントに対するフットワークが軽い。後者でも「思いついたらやってみる」的な、たぶん周りが知り合いばかりだから段取りも早いのでしょう。ある移住者の方が「ゆっくりできると思って移住したらイベント尽くしで忙しい」と話していたほど。もちろん、とくに伝統行事は「字民限定」的なものも多いのですが、比較的「来るならおいでよ」的なオープンなものもある。個人経営に限らず、商売としてやられているところは基本的にそうですよね。
しかし、イベントが多く、情報の回り方が口コミ中心。島内には和泊町と知名町の2町があるのですが、「どこでどんなイベントをやっているのか分からない」「お互いの町の情報が入りづらい」という声もありました。行政が運営する公式アカウントもあり、こちらは参加者数も1000人超えと情報インフラとしては大きな規模ですが、行政区分上あまりお互いの町の情報を配信するということはない上に、個人経営店などの情報も配信するという訳にはいきません。
一方で、私(いまさらですがネルソン水嶋と申します)は島内で新聞記者としても活動していますが、基本的にイベント取材は告知ではなく事後、かつ記事としてある程度の時間をかけて世に出す必要があったので、イベントがあると分かっていてもすべてのネタは拾いきれない…。「もっと簡単に告知的な情報も世に出せたらな~」という思いがあったんですね。そこで、LINE公式アカウントというものがあるから、まずは試しにやってみるか!となったのです。
そんな2月にはじめた「えらぶカレンダー」、反響は上々で、今は参加者数が300人を超えました。この増え方が早いのか、遅いのか、比較対象もないのでわかりませんが、以前行ったアンケートでは7~8割が島民の方のようなので、2%の方に届いていると捉えれば少しは役立っているのかなと思います。
この運営を続ける上で課題がない訳じゃないですが、おだやかに広がってはいるようなので、これも期待と考え、ゆるゆると続けていきたいと思います。
なぜ島でイベントが多いのか
ところで、「イベントが多い」というのはすごく島らしい話だなと思います。
住めば住むほどその理由が分かり、これは島民性とも深く関わってくる話なので、それについてプチ考察を書きたいと思いますのでお付き合いください。
理由は、前述の通り、集落ごとの伝統行事の影響もあるとは思うのですが、何よりも「娯楽を自分たちで生み出す志向(思考)」なんじゃないかな~と。
鹿児島なら中央駅前や天文館もそうですが、都会は暇を潰す過ごし方が山ほどある。ショッピング、スポーツ、映画…。しかし、離島含めて地方はそれがない。だからこそ、ハンドメイドで娯楽を生み出す必要に迫られる。そしてそれが、「イベントの多さ」という形に顕れる。そんな娯楽はハッキリとタイプが違って、お金を出して楽しむ「消費」か、自ら作り上げる「生産」か。まぁ、厳密には、島のイベントのお客さんにとっては「消費」でもある訳ですが、そんな人達もときには生産に回り得るという点で区分が曖昧ではないかなと。島に来たことで変わった人も、そうだからこそ島に来た人も、いずれにしても、「島が快適」と言える人には共通してそんな志向を持っていると感じます。
見方を変えれば、島のその(都会に比べての)不足っぷりは、「クリエイターを生み出す土壌」だと言えるかもしれません。
ただ、もちろん、足りないだけで何かを生み出せる人は天才です。というより人は誰しも誰かにインスパイアされていると私は思っているので、その意味では天才はいないと思ってます。イベントを含めて何かを組み立てる素材や経験は島外(未知の世界)にこそあります。それを得てこそはじめて作り出せる。
しかし、最近はインターネットで楽しめる娯楽が増えたこともあるのか、島の子どもたちの間でも「島を出たい」という熱意、簡単に言えばハングリー精神が減ってきた、なんて話も聞きます。ほとんど島で過ごしてきた世代には喜ばしく聞こえるかもしれませんが、「可愛い子には旅をさせろ」は本質を突いてるなと思うとともに、「旅ができない子はクリエイターになれない」というのは私論です。職業的なクリエイターでなく、簡単にいえば盛り上げる人かな。
段々何が言いたいのか分からなくなってきたので、このあたりで終わりにします。要するに、「島は自ら娯楽をつくる人が多いので、イベントも多い。それがちゃんと島中に届くよう、これからも『えらぶカレンダー』運営をがんばります」ということですね。まだ未登録という方は、ぜひ下記より!
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