下豊留です。
鹿児島中央駅東口広場にある「若き薩摩の群像」
薩英戦争後、イギリスに留学した15人の薩摩藩英国留学生（薩摩スチューデント）と、使節団４人の計19人の銅像です。
作者は、大久保利通の銅像や島津義弘の銅像でお馴染みの中村晋也先生です。
19人それぞれどこにいらっしゃるのかまとめてみました。
- 使節団
- 薩摩スチューデント
新納久修
１番上で両手を広げている人が新納久修。
団長さんです。
五代友厚とともにイギリスで紡績機械を購入、鹿児島紡績所にすえつけました。
紡績技術の指導のために鹿児島へやってきたイギリス人技師が宿泊していた場所が世界文化遺産に登録されている旧鹿児島紡績所技師館（異人館）です。
五代友厚
NHK「あさが来た」や映画「天外者」で人気の五代友厚。
留学生の派遣を提案しました。
五代友厚は、泉公園にもいらっしゃいます。
拙著『鹿児島偉人カルタ55』にも選抜メンバーで入れています。
寺島宗則
ハットを持っている人が寺島宗則。
寺島は語学堪能で、幕府の遣欧使節としてヨーロッパへ渡った経験がありました。
留学生を率いてイギリスへ行くと、外相クラレンドンと会見しています。
拙著『鹿児島偉人カルタ55』にも選抜メンバーで入れています。
堀孝之
真ん中で椅子に座っている人が堀孝之です。
長崎出身の堀孝之は、通訳として活躍しました。
実は、この若き薩摩の群像は当初17人の銅像しかなく堀の銅像は2020年に設置されました。
町田久成
留学生の監督役の町田久成は１番上にいます。
上野の国立博物館初代館長になりました。
拙著『鹿児島偉人カルタ55』にも選抜メンバーで入れています。
町田申四郎
コートを持っている人が町田申四郎。
町田久成の弟で、清蔵の兄です。
小松帯刀の養子になりましたが、帯刀の長男・清直に家督を譲っています。
町田清蔵
町田久成・申四郎の弟です。
イギリスに次いでフランスへ行きました。
のちに財部家に養子に入り『財部実行回顧談』を残しています。
吉田清成
ステッキを持っている人が吉田清成です。
イギリスで学んだ後、アメリカで政治・経済を学んでいます。
アメリカではキリスト教徒になりました。
名越時成
台にもたれている人が名越時成。
奄美大島の研究には欠かせない『南島雑話』の著者・名越左源太の息子です。
左源太の方が有名ですね…
左源太のことはこちらの本で詳しく紹介されています。
原口泉『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』（燦燦舎）
他にも銅像メンバーでは、五代友厚・村橋久成・長沢鼎が二十傑に選ばれています。
東郷愛之進
名越時成の横で腕を組んでいる人が東郷愛之進です。
戊辰戦争に出陣して亡くなりました。
愛之進が生きていれば、イギリスで学んだことを活かしながら日本のために尽力されたのではないでしょうか。
高見弥一
椅子に座った堀孝之の後ろでステッキを持っている人が高見弥一です。
土佐藩を脱藩後、薩摩藩士になりました。
堀孝之とともに、2020年に群像に追加されています。
鹿児島で数学教師になりました。
朝倉盛明
堀孝之と高見弥一と共に並び、本を持っている人が朝倉盛明です。
イギリスに渡ったあと、フランスでも学んでいます。
帰国後は鹿児島でフランス語を教えていましたが、フランス人鉱山技師の通訳を務めたことをきっかに 生野銀山の再開発に取り組みました。
森有礼
羽根ペンを持っている人が森有礼です。
初代文部大臣となり、教育分野で活躍しました。
女子教育に力を入れたところが素敵です。
拙著『鹿児島偉人カルタ55』にも選抜メンバーで入れています。
畠山義成
森有礼の隣にいる人が畠山義成。
森有礼同様、教育分野で活躍した人物です。
東京開成学校（現在の東京大学）の初代校長を務めました。
中村博愛
片手を上げている人が中村博愛です。
イギリスに渡った後はフランスで学びました。
帰国後はフランス語を教えたり通訳をしたりと活躍しました。
長沢鼎
長沢鼎はブドウが目印です。
最年少で留学をしたためか、銅像も小さめでかわいいです。
イギリスからアメリカに渡り、ブドウ園を開きました。
拙著『鹿児島偉人カルタ55』にも選抜メンバーで入れています。
鮫島尚信
片手を腰に当て、ステッキを持っている人が鮫島尚信です。
イギリス、アメリカで学んだ後帰国。
明治政府に出仕し、駐仏特命全権公使を務めました。
残念ながら若くして亡くなり、お墓はパリのモンパルナスにあります。
村橋久成
ビールといえばこの方！村橋久成。
町田清蔵と並び、手にコートを持っています。
北海道にある村橋久成の胸像「残響」も、同じく中村晋也先生作です。
いつか北海道へ見に行きたい！
拙著『鹿児島偉人カルタ55』にも選抜メンバーで入れています。
松村淳蔵
ラストは松村淳蔵！
椅子に座っていらっしゃいます。
イギリスでは測量の勉強をしています。
アメリカの海軍兵学校を卒業後、日本に戻ると海軍兵学校校長になり、日本海軍の発展に尽くしました。
投稿者プロフィール
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オフィスいろは
下豊留佳奈（しもとよどめ かな）
鹿児島生まれの鹿児島育ち。
地元が元気になればと思いあれこれ活動しています。
共著に『鹿児島偉人カルタ55』（燦燦舎）
2021かごしまの新特産品コンクールで鹿児島県観光連盟会長賞を受賞しました。
第一工科大学と鹿児島第一医療リハビリ専門学校の非常勤講師
鹿児島県立図書館協議会委員
昔話と歩くことが好きです。
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