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『薩摩ホグワーツ』から始める薩摩ミームの世界(前編)

 さつま忍者研究会代表の清永です。
 先日「薩摩ホグワーツ」という『薩摩がハリポッターの世界にあったら?』というインターネット・ミームがTwitter上で大流行り。様々な方がそのアイデアを元にいろんな話を作って公開していました。
参照:薩摩ホグワーツ(Togetter(トゥギャッター))

 インターネット・ミーム(以下ネットミームとも略す)をwikipedia(研究文を書く時、誰でも改変できるwikiからの引用はあまり良くはないのですが、今回は特別という事で)から引用すると、「インターネットミーム(Internet meme)とはインターネットを通じて人から人へと、通常は模倣として拡がっていく行動・コンセプト・メディアのことである。」とあります。
参照:インターネット・ミーム(Wikipedia)

 日本で有名なネットミームと言えば、「5000兆円欲しい!」とか「宇宙猫(スペースキャット)」とかありますが、『薩摩』もその荒々しい文化を元に新しい話が作られるネットミームとなっています。
参照:2023年有名なネットミームの元ネタ一覧10選(Wondershare)

 ではどういった文化がネットミームとして取り上げられているのかをお話ししていきましょう。

目次

チェスト

 元は薩摩に伝わる剣術の『猿叫(えんきょう)』という掛け声から作られた言葉で、「チェーするぞ(叩くぞ・やってやるぞ)」→「チェーすっと」→「チェスト」が語源という話があります。
 『猿叫』とは甲高い声を発する掛け声なんですが、個人的解釈で説明すると、高い声を発する事で頭から声が抜けていく感じから、武術に大切な「身を起こす動作」につながっていきます。(声楽をやられている方でしたら解る感覚ではないでしょうか?中国武術では『立身中正』とも言ったりします。昔活躍したアクション俳優であるブルースリーの掛け声が怪鳥音と呼ばれていましたね。)
 ですから武術で「チェスト!」と叫んでも甲高い声にならないので、特別な武術的効果は得られない(大声を出す事でそれなりの効果はあるのですが…)と考えて良いでしょう。

 それまで武術界隈の言葉だった「チェーすっと」→「チェスト」に固まってきたのがNHK大河ドラマ『翔ぶが如く』(1989~1990年)だという説を唱える方がいらっしゃいますが、MBC南日本放送の長寿ラジオ番組「チェストいけ!ヤング」の第1回目(1973年)ではチェストがカタカナ表記ではなくひらがな表記だった事から、この頃からぼんやりとした形で鹿児島県民には使われていた様です。
参照:薩摩の掛け声「チェスト」は最近の造語!?(ロカマガ)

 ネットミームでは武術的な表現として使われる他に、全力で間違いを犯した時に使う「誤チェスト」や「チェストとは”知恵捨て”と心得たり」という新しい解釈が付け加えられたりしています。
 上記2点の発信源はマンガ『衛府の七忍』からと言われています。
参照:「衛府の七忍」版宮本武蔵、薩摩武家者と化す!(Togetter(トゥギャッター))

後編に続く

投稿者プロフィール

清永秀樹
清永秀樹
クリエイティブパフォーマンスBAN/代表
さつま忍者研究会/代表
H26~H29 KADOKAWA Walker plus 鹿児島県地域編集長(最終役職)