奄美大島には奄美大島にしか生息しない固有種や絶滅危惧種が多数生息しています。
アマミノクロウサギも絶滅危惧の最たる例です。
▼アマミノクロウサギの夜間観察の様子はこちらの記事でまとめています。▼
今回はそんな特殊な奄美の自然をより身近に安全に観察出来る「奄美自然観察の森」を訪れました。

この森は奄美群島国立公園にも指定され、入園料無料で24時間開放しています。
バードウォッチングに最適で、双眼鏡や望遠カメラを持って来ている人も多かったです。
要予約の博識な園内ガイドさんがおり、今回はお願いして案内してもらいました。

シイノキを初めとした広葉樹が生い茂る森の中へ一歩踏み入れると、早速様々な鳥の鳴き声がします。

早速ガイドさんがその中に混ざる「ジーーーッ」という鳴き声に気づきました。
小型のキツツキの仲間のアマミコゲラが、「コッコッコッコッ」と小気味良いリズムで木をつついていました。

少し歩いた先で今度は「トントントントン」と先程よりも大きくはっきりした木を叩く音が聞こえました。
ガイドさんが指差す方を見ると「オーストンオオアカゲラ」という30cmくらいの鳥を発見!
写真がうまく撮れなかったのですが実際はこういう姿をしています。

このオーストンオオアカゲラは奄美大島のみに生息する固有亜種です。
木をつついて昆虫や幼虫を探しているそうです。

暫く歩くと、「ピー ピョイピョイピョイ」と高く澄んだ鳴き声が聞こえてきました。
ゆっくり声のする方へ近づくとアカヒゲがさえずっていました。

背中が赤く「赤い毛」が変化して「アカヒゲ」と呼ばれるようになったそうです。
さえずりが本当に綺麗な鳥でした。
なんと指より大きいナメクジも見つけました。

ここの森には夜に光るきのこが生えるそうで、このナメクジはそのきのこが大好物らしいです。
きのこの天敵?かと思いきや、きのこの胞子を運ぶ役割があるそうで自然の仕組みはうまくできているものだとつくづく感じました。
池

池は園内に3か所あり、中でも一番上の池はルリカケスなどの野鳥が水浴びに来る人気のスポットになっています。

傍らには人間が隠れて観察できるように屋根付きの小屋が立っています。

少し待ったものの野鳥は現れなかったのですが、ここの池に住むお腹がオレンジ色のイモリに会うことができました。

展望台

ドラゴン大展望台からはエメラルドブルーの美しい龍郷湾を360度のパノラマビューで見ることができます。

天気がいい日は喜界島や奄美で一番高い山「湯湾岳」まで見えることも。
自然観察の森が標高300mの位置にあるのでここからの眺めは圧巻です!
アコウの大木(絞め殺しの木)

クワ科のアコウの大木も間近で観察することができます。
普通の木が地面から空へ上へ上へと伸びるのに対し、これは鳥の糞と一緒にアコウの種が木の上に落ち、そこから根がその木を伝って下へ下へ伸びるちょっと変わった生態をしています。
根っこはだんだん太くなりそうやっていつしか元の木を枯らしてしまうことから別名「絞め殺しの木」と呼ばれているそうです。
展示室
奄美で生きる動植物の写真や剥製の展示があります。
生態や特徴などを知れるので自然観察の前後で立ち寄ると面白い発見があると思います。
1人100円で入場できます。
まとめ

とにかくガイドさんをお願いして本当によかった。
自分だけでは野鳥の姿を見つけることもできなかったろうし、動植物の息遣いを感じることもできなかっただろうと思います。
疑問点も全部答えてくれるのでめちゃくちゃ頼りになります。
園内のどこでどの時期に何が見れるかまで案内してくれるので、その時期にまた来てみようと思えるいい体験でした。
アクセス

龍郷町役場方面から向かうと看板があります。

その先の十字路を案内に沿って登っていくとたどり着けます。
名称 | 奄美自然観察の森 |
住所 | 〒894-0324 鹿児島県大島郡龍郷町円1193番地 |
開園時間 | 9:00~16:00 |
休園日 | 12月28日~1月3日 |
お問い合わせ先 | 0997-54-1329 |
入園料 | 無料 |
展示室 | 1人100円 |
園内ガイド | 1人1500円 ※要事前予約 |
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