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枕崎から国内外におだし文化を伝える!水産会社が営む「かつ市」

日本食には欠かせない「おだし」。
おだしをとるために欠かせないのは、かつおぶしです。

枕崎市は日本一のかつおぶし生産量を誇る町で、江戸時代からかつおぶしの製造に着手しています。近年ではコンビニやファストフードで手軽に食が手に入るようになり、日本の食の本来の姿が薄れてきてしまっています。

枕崎から“おだし文化“を国内外に発信をしている会社があります。
今回は「かつ市」の代表中原晋司さんにお話をお伺いしました。

70年以上水産会社を営む中原水産

かつおぶし生産量日本一を誇る枕崎市にある「かつ市」。70年以上、三代に渡り水産会社を営む中原水産が運営している「おだしカンパニー」です。

ユネスコ無形文化遺産に登録され、世界中から愛されている和食に欠かせない「おだし」。かつ市は、かつおぶし加工商品などの開発や販売、かつおぶしに関する講座やだしの引き方のレクチャーや製造工場の見学などを通して、枕崎から世界へおだし文化を発信しています。

中原水産・かつ市代表の中原晋司さんは、枕崎から“おだし文化“を国内外に発信していくうちに、まわりから「おだし先生」と呼ばれるようになりました。

「だしソムリエ1級」「枕崎カツオマイスター」などの資格も取得され、おだし教室を行ったり、おだし・かつおぶし関連商品の販売やプロデュースをしたりと幅広く活躍されています。

空港や駅などのイベントに呼ばれて、おだしパフォーマンスもされるそうです。だしを目の前で引いて飲んで楽しんでいただくなど、イベントに合ったパフォーマンスを考えられています。まさにエンターテインメント!

削りたてのかつおぶしの良さを知る体験

かつ市では、「おだし教室」をリアル・オンライン両方で行っています。
リアルでのおだし教室受講の場合ご希望の方には、かつおぶし製造工場の見学をすることができます。こちらは1名からでもお申し込みができます。

昔は当たり前のように、かつおぶしを削ってだしをとっていました。写真の鰹節削り器は、各家庭にあったんですよね。今は見かけなくなりましたけど…。

こちらは極限まで乾燥させた「本枯れ節」です。
右側が雌節で、左側が雄節です。てっきり名前の通り、雄と雌の違いかと思いましたが、かつおのお腹の部分を雌節、背中の部分を雄節と呼ぶそうです。

煮物などコクがあるお料理には「雌節」、すまし汁のようにスッキリとした味わいのお料理には「雄節」を使っていくとのことです。

以前、かつ市でかつおぶしを削る体験をさせていただきました。
削りたてのかつおぶしは、鮮度が高く味も香りも格別でした!

おだし教室は、学生さんの修学旅行での体験学習として取り入れられたりもされています。製造工場見学は、かつおぶしができあがるまでの工程を一つ一つ見られるので、貴重な経験になること間違いなしです。

ホンモノのかつおぶし・だしを手軽に楽しめる商品

かつ市では、かつおぶし・だしを手軽に楽しむことができる商品を開発、販売しています。オンラインショップで購入することができます。

こちらはご家庭でお気軽に楽しむことができる、だしパックやだし粉末です。粉末だしと言えば、添加物のイメージがあると思いますが、だしに並々ならぬこだわりを持っているかつ市が開発したものなので、化学調味料不使用なんです。

しかも「本枯れ黄金だし」は、2016年に鹿児島県水産物品評会で県知事賞を受賞したんですよ!

わたし、かつおせんべい好きなんです…! 本枯れ節を生地に練り込んでいます。だしの味がしっかりと味わえるおせんべいは、年齢問わずに好まれます。

かつおぶしのおすすめポイントは、赤ちゃんから高齢者の方まで安心して食べることができること。乳児用規格適用食品なので、離乳食に使うことができます。

他にもさまざまな商品がありますので、気になる方はオンラインショップを覗いてみてください。

オンラインショップ.

オリジナルのおだし商品プロデュースへの対応

かつ市は、「オリジナルのおだし商品がほしい」と考えているお客様へプロデュース事業も行っています。
例えば、新しいだし商品の開発をしたいお店やオリジナルのだし商品を販売したいお店など。開発や調達、リパッケージまで幅広く対応をしています。

上の段の右から二番目に置かれている「だし黒酢ジュレ」は、鹿児島の黒酢生産シェアトップ企業の坂元醸造(株)と共同開発をした新しい調味料です。サラダのドレッシングとしても使えますし、肉や魚料理のソースとしても使えます。

下の段の一番右に置かれている「旨味茶節(うまみちゃぶし)」は、鹿児島市内にあるみそ醤油会社とコラボをして商品開発をしました。鹿児島の伝統食「茶節」を商品化したもので、かつお節、味噌、緑茶の旨味を味わえる商品です。

かつ市のブランドとして販売されている商品もありますが、ニーズに合わせてレシピを考えたりなど黒子的に企業様のブランドとして販売されている商品も多いのです。
確かにだしは、どの食材とも合わせやすいので商品開発の幅も広がりそうですよね。

手軽に食事ができるようになり便利な世の中にはなりましたが、一方で「食」に関しての知識や経験をえる場が格段に減ってきました。かつおぶしは、袋に入っているものと認識をされている方は多いのかもしれませんが、本来は削っていただくものです。

「食の本来の姿をきちんと伝えていく。」
そうすることで日本の食の未来が変わってくるかもしれません。枕崎から国内外に“おだし文化“を発信していく「かつ市」の今後の活動から目が離せません!

おだし教室を体験されたい方は、是非直接お問い合わせをされてください。

「かつ市」のホームページ
https://katsu-ichi.com/

投稿者プロフィール

上村 ゆい
上村 ゆいヨガインストラクター×フリーライター
ヨガインストラクター×ライター。どちらかというと身体が硬めのヨガインストラクターです。その人に合ったレッスン内容を心がけているので、老若男女問わずレッスンを受けていただいています。ヨガレッスンは、出張ヨガがメイン。趣味は、美味しいものを食べること。ライターとして鹿児島のいろいろなことをを発信していけたらと思います。