みなさん、こんにちは。
慶應義塾大学SFC研究所上席所員の折田です。
今回は昨年登録された奄美大島の世界自然遺産をたっぷり学べる「奄美世界遺産センター」をご紹介します。
2021年7月26日、奄美大島と徳之島は沖縄本島北部・西表島とともに 「世界自然遺産」となりました。
日本では、平成5年12月に「白神山地」と「屋久島」、平成17年7月に「知床」、平成23年6月に「小笠原諸島」が登録され、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は5目の登録となりました。
鹿児島県においては屋久島に次ぎ2番目の登録になります。
世界遺産とは、「人類共通のかけがえのない財産として将来の世代に引き継いでいくべき宝物」として、ユネスコ世界遺産センター(パリ)が事務局となって認定するものであり、191カ国が締約国数となっています。
世界遺産総数は2021年現在で1154件の登録があり、うち文化遺産は897件、自然遺産は218件、複合遺産は39件になっています。
世界自然遺産の登録は「顕著で普遍的価値」を有するかであり、以下の3つの条件を満たすかどうかで判断されています。
- 4つの「評価基準」の一つ以上に適合すること。
- 「顕著な普遍的価値を示すための要素がそろい、適切な面積を有し、開発等の影響を受けず、自然の本来の姿が維持されていること」を満たすこと。
- 顕著な普遍的価値を長期的に維持できるように、十分な「保護管理」が行われていること。
今回登録された奄美大島は、東洋のガラパゴスとも呼ばれ、「黒うさぎ」や「アマミホシゾラフグ」「リュウキュウ鮎」などの固有種が沢山存在しており、そのことが世界自然遺産への登録に大きな影響を与えています。
魅力たっぷりな奄美大島ですが、世界遺産登録と同時に観光客も増加し、固有種をみれる「金作原(きんさくばる)」は一般の人は認定エコツアーガイドなしでは入ることができなくなりました。
奄美大島に住んでいた私としては、仕方ないとはいえ、
ちょっと残念・・・
でもご安心ください。
気軽に奄美の世界自然遺産を体験できる施設「奄美大島世界遺産センター」が、ついにオープンしたのです。
入場料は無料で、屋内の全天候型になっています。
館内は、まるで奄美大島の夜の森の中にいるような雰囲気が演出されており、案内解説板も透明な絵図を通して、リアルにイメージができるアート性の高いものになっています。
大型モニターには、奄美大島の固有種についての解説が放映されており、飽きることもありません。
小さな昆虫だって固有種がいっぱいです。
そして、何より驚いたのが、このシステム
なんと!!
カメラのモニターで擬似原生林を探索すると、奄美の固有種を発見して解説を見ることができるのです。
見つけた固有種はモニターで詳しく学ぶことが可能です。
大人も子ども大盛り上がりの演出とシステムが導入されている「奄美世界遺産センター」
ここなら、ハブに噛まれる心配もありませんので、お子様も安心して世界遺産を体験できますね。
この美しい島を学び、奄美大島の自然と文化を大切にしてくれる人材が多く生まれることを願っています。
投稿者プロフィール
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慶應義塾大学SFC研究所で上席所員として研究者と一緒に未来の教育を研究しています。
同時に鹿児島県立福山高等学校で「福山みらい創業塾」というプロジェクトに関わっています。
このカゴシマガジンでは、主に「教育改革・地域魅力化・産官学連携」について書いていきます。
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