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’FULL OF PASSION’  味処あまみ

出水方面から阿久根市街に入ると3号線沿いに’あまみ’と書かれた看板と赤い提灯がぶら下がっている。阿久根に移住して市街を通るときにいつも気になっていた、かなりのローカル感あふれる居酒屋だ。

たくさんの常連客に溢れてて、阿久根弁、鹿児島弁が飛び交う中、私は、一人でカウンターに座ってその光景を見るのが好きだ。

個性あふれるマスター

ここは、平成6年に創業して29年になる老舗のお店。なんといってもキャラ立ちしているのがここのマスターで、歩く人歩く人から声を掛けられる。

そんなマスター、生きてきた軌跡が面白い。出身は奄美なのだが、得意ごとを身につけようと高校で鹿児島市のレスリング部に入ったものの、練習が厳し過ぎて耐えれず友達に1万円を借りて、当時東京に住んでた従兄を頼りに夜行列車に飛び乗った。そして、その足でなぜか職安に行き、あれよあれよと簡単に就職が決まってしまったのだ。しかしなぜが奄美の両親に知られて引き戻されたという。その後、高3でレスリングの国体に出場するまでになり、結果的には今後の就職にも良い流れをもたらした、つわものである。その後も料理の道を極める為、東京に上京し就職するのだが、親戚の縁で鹿児島に引き戻され、鹿児島で飲食の仕事をすることに。それで包丁を新調するために金物屋に行ったところ、今の奥様に出会うことになったのだ。それから、家族を連れ、フグの調理法を学びに福岡まで行ったり、時には料理することをやめて大型トラックの運転手になったこともあるそうだ。その時は、トラックで高速道路を降りた直後にガソリンが切れてしまい、どうしようかと困っていたところ、たまたま停車していた10トントラックに近くのスタンドまで牽引をお願いしたところ、その運転手は快く引き受けてくれたのだが、運転手の運転のスピードが速すぎて、牽引されながら10トントラックに追突したというエピソードもある。マスターはそれを自分の運命は始めから決まっていたという。

そんなマスターが、5年前に脳梗塞を患い、大好きだった煙草もお酒もやめて体を労わっている。最近の楽しみは、畑でいろんな食物を栽培することで、時間を作っては畑に向かい、手をかけて育てることが生きがいだという。

お店を続けていくということ

30年近くお店を続けていくと、あまみがそのお客様にとって自分の居場所になってたり、その方の日課になってたり、知人や友人と集う場所になったりして、知らず知らずのうちに地域で欠かせないものになっていく、、だからこそ、”待っているお客様がいるから!!”そういう見えない使命感みたいなものがなんとなくマスターの姿から感じ取れる。

種類が豊富で美味しい

そんなマスターのいるあまみには、海の幸から天ぷら、フライ等の居酒屋メニューまで豊富に取り揃えてあり、リーズナブルな価格で提供されている。また、組み合わせ自由な定食も作って頂けるし、小鉢もたくさん付いてくる。そして、とてもCUTEな奥様と娘さんお出迎えしてくれて、個性ある地元人と出会えて情報収集もできる。そして、マスターの面白話も聞けるのだ。そんなローカルで熱い居酒屋が阿久根にはある。

お一人様でも、気軽に立ち寄れるそんなあったかい空気が流れるお店。阿久根に寄った際は、是非ふらっと足を運んで欲しい。

味処 あまみ 

阿久根市大丸町23番地

0996-72-3020                                             

投稿者プロフィール

津崎 信乃
津崎 信乃
福岡生まれ
小中高は山口で育つ
大人になってからは全国津々浦々
北は北海道、南は屋久島まで
海外の自然のなか(35か国)
学生時代は、バスケットボール三昧
北海道ばんえい競馬で厩務員
乗鞍岳山小屋で勤務
北海道旭川にて果樹園で働く
北欧を自転車で1周
屋久島でカヤックガイド、
ポンカン狩り
伊勢海老捕り
学童保育
アメリカアパラチアントレイルを歩く
インドにカレーの修行へ
国際交流をふまえて南米、中南米の旅へ
アウトドアブランド Mont-bell販売を経験
アウトドアブランド Colombia 管理職経験
現在、阿久根市地域おこし協力隊として、自然を活用した体験型コンテンツ開発と実施に取り組み中


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